今日は谷崎潤一郎さんの命日なので、潤一郎さんを偲んで綺麗な装丁の卍を購入しました。今日のポストはちょっと長くなりますが命日ということで お許しを。

卍は女性の同性愛を描いた代表作?として知られていると思いますが、男性の同性愛を描いた三島由紀夫さんの禁色とは違って、同性愛のみを純粋に描いたものではないと私は考えています。

園子と光子の性愛の背景には、現実的な関係に満足できない「性」、手の届かないものや架空のものに執着する「性」が潜んでいると思うのです。

作中で、園子の夫が園子の行動に対して
「お前は年中しょむもない恋愛小説ばかり読んでるよって文学中毒してんねん」
と言っているのですが、この言葉からは、現実的な他者と接する経験が乏しいまま、恋愛小説を通して性をシミュレーションしてきたが故に、現実的な「性」に満足できなくなった園子への鋭い指摘が読み取れると考えています。

卍には、手に入ったとたん、現実的なものになったとたんに興味を失う、そんな「性」が描かれていると思うのです。
(「秘密」も同様の要素があると考えているのですが、それはまた今度?)

2024.07.30 00:01 | pmlink.png 固定リンク | folder.png 読書メモ

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