代筆屋
もういい加減書き上げないとまずい原稿があるのですが、どうしても書く気になれず、誰か代わりにかいてくれないかなーなんて思いながら現実逃避… そんなときに本棚から掘り起こしてしまいました。
「世界中のアットマークへ」なんてキャッチも遠い昔のことになってしまったけど、e-mailやSNSが主流になった現在、心と心のレスポンスまで良い意味でも悪い意味でも速くなったような気がします。時にはゆっくりとアナログな手紙を書いてみるのも良いかもしれませんね。時間に終われている現代人に、スローライフを提案してくれている1さつのような気もしました。
というか、原稿書こうという気持ちになったので気持ちが失せる前に書いてしまおうと思います。今夜も千代田線だな><
なつのひかり
江國香織さんの本。静かに淡々と物語が進んでいく。
静かに淡々…なのに容赦ない何かがある。
この感じ、前にも経験したことがある。なんだっけ?
そうだ・・・「ダンス・ダンス・ダンス」だ。村上春樹さんの。 (誤解のないように言っておくと、ダンス・ダンス・ダンスは、淡々とした部分もあるけど、静かなリズムだけではなく、複雑で謎めいた?動的な展開がおりまぜられたものと思います)
「なつのひかり」と「ダンス・ダンス・ダンス」
「すきまのおともだちたち」と「ふしぎな図書館」
私の中では、相互にリンクしあう本かも。
「いつだってそうだ。現実というのは、うけいれる他につきあいようがない。」こう言ったのは江國香織さん。
でも、ちょっぴり逃避したいこともあるよね。この現実から、ほんのちょっとだけ。
月のしずく
世界でいちばん透きとおった物語
泳ぐのに安全でも適切でもありません
#江國香織
#泳ぐのに安全でも適切でもありません
この本の中の「リンゴ追分」という掌編の中にこんな文章がありました.
グラウンドの角を曲がったとき、いきなり音が破裂した。トランペットだった。あたり一面全部の空気をふるわせて、力強い音が流れた。おそろしくゆっくりの,暴力的なまでに巧みな,「りんご追分」だった。 ・・・・・・・・あたしは動けなかった。どうしてだかわからない。
どんなに注意していても,不意打ちはやってくる。なんの前触れもなく,突然に。構える間もなく,こらえていた気持ちの核心をつかれてしまったら,もうどんな意地も通用しないよね。
なーんて。
今日は、学生たちが地区踏査に出かけました。
街の中で、心が震えるような何かに出会えたり...しないよね。きっと。
だって、安全第一でやってるんだもん。なーんて。