ざらざら
東京タワー
江國香織(著), マガジンハウス
「世の中で一番悲しい景色は雨に濡れた東京タワーだ」
ずいぶんと前に、この書き出しに心を掴まれて読んだ本です。
最近、ドラマ化されているけど、あんなふうにドラマ化して欲しくなかったな(制作した皆さん、ごめんなさい><)。
東京タワーが濡れているのを見るのは悲しい
胸を押さえつけられる気がする
に私は共感したのであって、
暗闇に浮かぶ東京タワーはどこかいつも寂しそうだ
世界で一番悲しい景色
という言葉は全く違うもの(くりかえしごめんなさい)。
「無念」という言葉が近いかな。今の気持ち。
ところで、「雨が降るとコーヒーの匂いが濃くなる」というフレーズがでてくるのは、江國さんの東京タワーだったと思っていたのですが違いましたか? 私はその言葉に出会って、雨の日のコーヒーが以前よりもずっと好きになりました。
「世の中で一番悲しい景色は雨に濡れた東京タワーだ」
ずいぶんと前に、この書き出しに心を掴まれて読んだ本です。
最近、ドラマ化されているけど、あんなふうにドラマ化して欲しくなかったな(制作した皆さん、ごめんなさい><)。
東京タワーが濡れているのを見るのは悲しい
胸を押さえつけられる気がする
に私は共感したのであって、
暗闇に浮かぶ東京タワーはどこかいつも寂しそうだ
世界で一番悲しい景色
という言葉は全く違うもの(くりかえしごめんなさい)。
「無念」という言葉が近いかな。今の気持ち。
ところで、「雨が降るとコーヒーの匂いが濃くなる」というフレーズがでてくるのは、江國さんの東京タワーだったと思っていたのですが違いましたか? 私はその言葉に出会って、雨の日のコーヒーが以前よりもずっと好きになりました。
国境の南、太陽の西
村上春樹(著), 講談社文庫
新潮の特大号に掲載されていた「夏帆」のことを考えていたら、ふと、「国境の南太陽の西」を思い出しました。 随分と前に読んだので詳細を思い出せないのだけれど、読後に陥った感覚がなんとなく似ているような気がしました。
そうなったら、読み返す以外の選択肢はないわけだけど、古い本のほとんどは実家に置いたまま...すぐに読み返したいのでKindle版を購入しました。
そして、一気に読んでしまいました。
やっぱりにていると思いました。
「僕」の行動はなんとも、、、なんだけど、わからなくもなくて、思うことを言葉で説明できないのがもどかしい。
ただ、こういう男性に惹かれる女性は、たぶん一定数いるんじゃないかな。
テーマの本質とはちがうけど、作中に僕とその娘(幼稚園児)のこんな会話がありました。
「どうだい、今日いちにち何か楽しいことはあった?」
「楽しいことなんて何もなかった。ひどかった。」
「まあお互いに大変だったな」
すごい幼稚園児だな...と思うと同時に、この子はどんな人生を歩むんだろう、その感性の鋭さゆえに苦しい人生になるのかな、、、なんて考えてしまいました。
#国境の南、太陽の西
#夏帆
#村上春樹
新潮の特大号に掲載されていた「夏帆」のことを考えていたら、ふと、「国境の南太陽の西」を思い出しました。 随分と前に読んだので詳細を思い出せないのだけれど、読後に陥った感覚がなんとなく似ているような気がしました。
そうなったら、読み返す以外の選択肢はないわけだけど、古い本のほとんどは実家に置いたまま...すぐに読み返したいのでKindle版を購入しました。
そして、一気に読んでしまいました。
やっぱりにていると思いました。
「僕」の行動はなんとも、、、なんだけど、わからなくもなくて、思うことを言葉で説明できないのがもどかしい。
ただ、こういう男性に惹かれる女性は、たぶん一定数いるんじゃないかな。
テーマの本質とはちがうけど、作中に僕とその娘(幼稚園児)のこんな会話がありました。
「どうだい、今日いちにち何か楽しいことはあった?」
「楽しいことなんて何もなかった。ひどかった。」
「まあお互いに大変だったな」
すごい幼稚園児だな...と思うと同時に、この子はどんな人生を歩むんだろう、その感性の鋭さゆえに苦しい人生になるのかな、、、なんて考えてしまいました。
#国境の南、太陽の西
#夏帆
#村上春樹
西方冗土 カンサイ帝国の栄光と衰退
中島らもさんが「西方冗土 カンサイ帝国の栄光と衰退」という本を書いているのですが、読んだことのある方と、「おもしろさ」とか「くだらなさ」について、あーだ、こーだと話したいです。
序盤に、関西の書き手の中から選りすぐりのアホばっかりを集めてチームを組んで2週間で作ったという「なにわのアホぢから(講談社)」の話がでてくるのですが、この「なにわのアホぢから」によると関西にアホが多いのは「水が悪い」からだ、、、ということが書かれています。
関西の方、アホとか言ってすみません><
この説明がおもしろいので、ちょっとだけシェアさせてください。
――――――――――――――――
たとえばウクライナに長寿者が多いのはヨーグルト食に原因があるのと同じで、関西にアホが多いのは「水」のせいなのである。筆者である加納まことは、最初は「うどん元凶論」を組み立てる。しかしそれならば原料である小麦の主産地であるカナダ人にもアホが多いはずである。英語を流暢にこなすカナダ人がアホだとはとても思えない。ならばそのうどん粉をこねる水自体に原因があるのではないかと推理は発展する。フィールドワークによってこれを証明しようとした加納は、淀川水系を小舟にのって遡行していく。そしてその上流でついに「謎の粉まき男」を発見するのである。この男は、淀川上流の橋の上に、ねじり鉢巻にちょうちんブルマーという異様な姿で立ち、わきにかかえたザルから「アホの素」を淀川に向かってまき続けているのである。この本にはその証拠写真がしっかりと収められている。そういう貴重な資料がみっちりと詰まった本であるにも関わらず、この「なにわのアホぢから」はサッパリ売れなかった。これはやはり、売れてしかるべき地元である関西の丁稚や番頭はんに、本を読む週間がないためではないかと思われる。
(西方冗土 カンサイ帝国の栄光と衰退, p19-20.より)
――――――――――――――――
ぜひ、手にとってみてください。ちょっぴりくよくよしていた気持ちなんか、どーでもよくなります! ちなみに、「売れなかった」と書かれている「なにわのアホぢから」は絶版になり、復刻版が出ているようです。